あなたは、子どもが将来しっかり自分の力で生きていく力をつけないと、とお考えですか?
「そのためには、母親である私がしっかりしていないと・・・」
ところで私は、自他ともに認める「ぐうたらママ」です。
料理はへた。掃除も片付けも苦手。お洗濯に至っては週に1度しかやってません。
加えて娘を生んだ後の産後うつを始め何度もうつになり、幼い娘の食事の世話もろくにせずに一日中寝ていたような母親です。
夫や周囲に助けてもらいながら、何とか娘は育ってきました。
現在娘は小学4年生。勉強も学校もあまり好きではないらしく、月に何度か(多い日は4日連続)学校を休みます。
そんな娘の長所を挙げますと
①好奇心旺盛
(学校の勉強はキライですが、伝記マンガが大好きで、スティーブ・ジョブズ(アップル創業者)、エジソン、マザーテレサはじめ様々な偉人の生き様に感銘を受けています。また、日々YouTubeやTikTokから色々な雑学を吸収しています。)
②感受性豊か
(絵を描くのが好きです。決して上手ではない、子どもっぽい絵なのですが、ニコニコと優しい目をした人の絵には彼女の優しさが、色とりどり鮮やかな色彩には自由な感性がにじみ出ています。)
③共感力・思いやり
(私がツラくて横になっていたら、文句も言わず好きなだけ寝かせてくれます。またすぐ小さな事でくよくよする性格の私は、彼女の「まぁいいよ~」という言葉に何度救われたかしれません。)
④自由でわがまま
(わがままというのは一見悪いイメージですが、自分の好き・嫌いがはっきりしているという事です。嫌なことは無理してやらない、楽しくないなと思ったらすっぱりやめる(習い事も色々やったのですが、短期間しか続かなかったものもたくさんあります)、という損切りの素早さはとても大切だと思います。また、娘はいい友達にもたくさん恵まれていますが、遊びの誘いをことわる時も「今日むり~」としごくあっさりしたもの。お友だちもそんな彼女の自由な空気(誰でもウェルカム・何でもアリ!)を慕って、自然と集まってくるのかもしれません。
最近興味深い本を読んだのですが、勤勉・従順・論理的(いわゆるお受験エリートタイプ)=優秀な人材とする考え方は20世紀のものであり、21世紀のこれからは、「自由で、直感的で、わがままで、好奇心の強い人材=「ニュータイプ」が、今後は大きな価値を生み出し、評価され、本質的な意味での豊かな人生を送ることになるでしょう」との言葉に勇気をいただきました。
(「ニュータイプの時代―新時代を生き抜く24の思考・行動様式」 山口 周 著 ダイヤモンド社)
まさに彼女は、これからの新時代をたくましく生き抜くNewTypeということ?
では、どうして、そんな娘が育ったのか?
私が娘を叱れない、「ああしろこうしろ」と言えない、ダメ母だったから。
先述のように、私は娘が幼少期から、月の半分近くは体調が悪く一日ほとんど寝てばかり、という母親でした。
そんな私を娘は駄々をこねる事もなく、好きなだけ寝かせてくれました。
お腹もすいていただろうに、なかなかご飯を作ろうとしない母を、辛抱強く待ってくれました。
そんな娘に私はひたすら、感謝の思いしかありませんでした。
「ありがとうね。」母からのこの言葉をいっぱい浴びて、娘は育ちました。
(というと、まるで私は優しい聖母のようですが、そんな事ではありません。カッコつけても要はネグレクト(育児放棄)すれすれの事をしていたわけだし、本当にしんどい時は娘にじゃれつかれて「うるさい!」と怒鳴ったことも何度もあります。その後泣きじゃくる娘を「ごめんね、ごめんね」と抱きしめながら何度謝ったことか。)
世の中には我が子に栄養バランス完璧のご飯を3食きちんと作り、お行儀よくしつけ、赤ちゃんの頃から知育を授け、賢く優しい子へと導く正しいお母さんが沢山います。私にはひたすらまぶしい存在です。
ですが私は(何度も言うように)ゴロゴロと寝てばかりで、公園に連れていく気力もない時は、娘を抱っこして一緒にゴロゴロしていました。子どもをしつける気力も気概もありませんでした。
「何もできなくていい。ただ居てくれるだけでありがとう。」幼い娘は、言葉には出せなくても、毎日そのメッセージを私に届けてくれ、私は「生まれてくれてありがとう。今日も幸せありがとう」と言葉に出して返しました。
そんな毎日の中で、母と子の信頼関係が少しずつ築かれていったのだと思います。
私は、「何があってもこの子は大丈夫」と彼女のたくましく生き抜く力を100%信じています。