カウンセリングとは、基本的にカウンセラーとクライアント(相談者)が、密室で二人きりになって、クライアントは生身の自分をさらけ出し、カウンセラーはクライアントのありのままを受けとめる、という行為です。
カウンセラーとクライアントが異性である場合(もちろん同性である場合も含めて)、誰にも言えない自分の姿をさらけ出していく過程で、恋愛感情が芽生えるという可能性は、絶対にないとは言い切れません。
精神分析療法の祖であるフロイトは、「無意識」とは“心の中にある自分自身でも気づかない部分”であるとし、(治療者が患者に対して中立であったとしても)患者側のファンタジーによって恋愛感情が生じることがありうる、という「転移」の概念を生み出しました。
「転移」:クライアントが過去(主に幼少期)の重要人物(母親、父親等)に対して抱いていた抑圧された感情を、何らかの類似点をもつ第三者(主に分析家、カウンセラー)へ向けること。
しかし、こうした現象は日常の社会生活の中でも起こりうることであり,必ずしもカウンセリング,精神分析療法などの特別な場面に限ったものではない、とされています。
「感情転移」とは、親や家族に対して抑圧された感情を、類似した対象に向けることです。つまり、学校では、母親や父親に似た立場である先生に対して、子どもたちがこれまで親に感じていたさまざまな感情を向けやすいということなのです。
例えば学校生活の中で、小学校低学年の子どもたちのなかには、担任の先生に、「ねぇ、先生だっこしてぇ」「先生のおうちどこ?今度あそびに行ってもいい?」等と、甘えてくる子もいます。最初はかわいいと思ってつき合っていると、どんどんエスカレートしてきて、最後にはとてもつきあいきれなくなってしまう事があります。
引用元|感情転移という視点:公益財団法人理想教育財団ホームページ
一方で転移とは逆に、カウンセラーがクライアントに対して恋愛感情等の特別な感情を抱く「逆転移」という概念もあります。
カウンセラーも生身の人間である以上、クライアントの語りの中で、カウンセラー自身の中の無意識に眠る何かに触れられてしまい、特別な感情が芽生えてしまう。
そんな場合、どうしたらいいのでしょうか?
それは、その時点でカウンセリングを中断することです。もしくは、他のカウンセラーに依頼する。
私の所属する「日本産業カウンセラー協会倫理綱領(16条)」には、「二重関係の回避(カウンセラーはクライエントと家族関係、友人関係、ビジネス関係等を避けるよう努めること」とともに、
「カウンセラーはクライエントとの間で性的親密性を持たないよう努める。もしそのような可能性が生じた場合は、カウンセリングを中止するか、他のカウンセラーに依頼する。」と明記されてあります。
いかなる立場であっても男と女である以上、避けて通れない宿命にはまってしまったら・・・。
考えると、ちょっとスリリングかも。
引用元:
(「感情転移という視点」公益財団法人理想教育財団ホームページ)
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